不思議なトンネル

むかーしむかし、今年の夏、4人組は日本に住んでいた。

4人は:

→ モデルの星空リカちゃん。リカちゃんはシャッターチャンスをいつも期待している。
 リカちゃんの妹のチビちゃん。勇気や好奇心のある小さい人形だ。
→ キノコ。恥ずかしがり屋。森の妖精の教えのおかげで、少し簡単な魔法ができる。
 キュア・ドリーちゃん。リカちゃんのカメラマン。人間ふりが出来る。とても便利なパワーよね。ドリーちゃんはいつも写真を撮ってる。だから写真に見えない。

ある日のこと、おかしい事件があった。

カカシさんたちのせいだったと思っている。

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でもね、あの日の日本は普通な日本と違ったとおもう。

あの日本は陽炎の中に閃いた。あの野原ではカカシさんたちが集めていた。

「ねえちゃん!シャッターチャンスだ!」とチビちゃんは呼んだ。

普通はリカちゃんはシャッターチャンスが大好きでだけど、今は、

「カカシは苦手ですからね・・・」

「はいチーズ!」とカメラマンのドリーちゃんは言った。

フラッシュが閃いて・・・リカちゃんは走り出した。

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「動いた!動いたわよ!カカシが動いた!」

「そうね。アイサツをしようとするかもね」とチビちゃんは冷静に答えた。

「カカシは動くはずはない」

「人形も動くはずはないと人間は信じる」

「でも、カカシは追いかけてるわよ!」

本当です。 意図が悪いかどうか分からないけど、たしかに追いかけていた。

「あの立て札は『トネル』って書いてあるね?」とリカちゃんは聞いた。

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「うん。『トンネル』って」とキノコは答えた。

「どんなトンネルって?」

「よく分かんない。漢字が読めないから」

「『アブナイトンネル?』『オニのトネル?』」

「いいえ。その文字は植物だと思う」

カカシさんたちは近づいた。リカちゃんはトンネルの中に走った。

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「まさか」とチビちゃんは叫んだ。

「リカちゃんの姿が消えちゃった」

「リカちゃん!リカねえちゃん!」

チビちゃんはトンネルに飛び込んだ。ドリーちゃんとキノコはチビちゃんのあとについた。

夏の日は暗くなった。

足元は草がなかった。ジュウタンのようだけど、なにも見えない。

手を繋いでる、4人はおずおずと3、4歩歩いて、何かに打つかった。

「これは棚みたいわよ」とドリーは言った。

「ここは・・・」

「部屋・・・?」

「なぜこんなに暗い?」

「午後でしょ・・・」

「電気があるかもね」とチビちゃん言った。

「キノコちゃん、電気をつけられるの?」とリカちゃんは言った。

「やってみるよ」

キノコは目を閉じて集中した。宙で「電」という文字が漂ってきた。

明かりがパッとついた。

「やっぱり、部屋でしょ」

「古い屋敷みたい・・・」

いきなり、聞き覚えない声もした。

「うるさいねぇ」

「なぜ夜中の間に電気がついているの?」

話してるのは、眠そうなぬいぐるみの一団だった。

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「眠」の文字

nemui-no-moji1「ご、ごめんなさい、です」とリカちゃんは丁寧に言った。

「でも、なぜ夜なの?」とチビちゃんは聞いた。

大きい黄色い鳥は「お日さまが寝たからね。いつも通りね」と言った。

「でも、3分前は昼間だったね、です」

「なるほど。これは夢ですね」と黄色い鳥は言った。

小さいウサギが泣き出した。

「夢の方たちよ、電気を消していただきませんか。明かりはウサギちゃんを起こしちゃうんですからね。」

キノコちゃんは「ごめんなさい、です」と言って目を閉じて集中をした。「切」という文字は 宙に浮いてきた、部屋はまた暗くなった。

「でも、ここはどこでしょうか」とリカゃんは聞いた。

でも、寝息しか聞こえなかった。

リカちゃんたちは少しの間無言で立っていた。じょじょ暗がりに目が慣れていた。

静かに他の部屋に行ってキノコは明かりをつけた。

リカちゃんは言った。「キノコったら。あのトンネルの漢字は『フシギ』なのね」

「そんなことないもん。『フシギ』の文字はこれ・・・」キノコは目を閉じて集中した。

「やめてよ!」とリカちゃんは叫んだ。

ドリーちゃんも言った。「うん。『フシギ』の文字をしちゃダメね」

ところが、金色の輝きが宙を漂って、形になりはじめた。

「早く他のもじをしな!」

「何の文字?」

ドリーちゃんは黄色い鳥たちを思い出して行った。「えぇと、睡眠の文字・・・」

キノコはまた目を閉じて集中した。金色の輝きは「眠」という文字になった。

みんなはアクビをしはじめた。

「だって、まだ昼間だから寝るのはいやだ!」とチビチビちゃんは言った。

「ここでは夜らしいですね」とリカちゃんはアクビしながら言った。

「いやだ!い・・・ゃ.  .  .」

みんなは眠り込んじゃった。