「眠」の文字

nemui-no-moji1「ご、ごめんなさい、です」とリカちゃんは丁寧に言った。

「でも、なぜ夜なの?」とチビちゃんは聞いた。

大きい黄色い鳥は「お日さまが寝たからね。いつも通りね」と言った。

「でも、3分前は昼間だったね、です」

「なるほど。これは夢ですね」と黄色い鳥は言った。

小さいウサギが泣き出した。

「夢の方たちよ、電気を消していただきませんか。明かりはウサギちゃんを起こしちゃうんですからね。」

キノコちゃんは「ごめんなさい、です」と言って目を閉じて集中をした。「切」という文字は 宙に浮いてきた、部屋はまた暗くなった。

「でも、ここはどこでしょうか」とリカゃんは聞いた。

でも、寝息しか聞こえなかった。

リカちゃんたちは少しの間無言で立っていた。じょじょ暗がりに目が慣れていた。

静かに他の部屋に行ってキノコは明かりをつけた。

リカちゃんは言った。「キノコったら。あのトンネルの漢字は『フシギ』なのね」

「そんなことないもん。『フシギ』の文字はこれ・・・」キノコは目を閉じて集中した。

「やめてよ!」とリカちゃんは叫んだ。

ドリーちゃんも言った。「うん。『フシギ』の文字をしちゃダメね」

ところが、金色の輝きが宙を漂って、形になりはじめた。

「早く他のもじをしな!」

「何の文字?」

ドリーちゃんは黄色い鳥たちを思い出して行った。「えぇと、睡眠の文字・・・」

キノコはまた目を閉じて集中した。金色の輝きは「眠」という文字になった。

みんなはアクビをしはじめた。

「だって、まだ昼間だから寝るのはいやだ!」とチビチビちゃんは言った。

「ここでは夜らしいですね」とリカちゃんはアクビしながら言った。

「いやだ!い・・・ゃ.  .  .」

みんなは眠り込んじゃった。

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